「十人の内、救われたのは一人」 04.07.25
ルカ17:11〜19
十人の人がイエスさまによって重い皮膚病(らい病)を癒していただきました。
その内の一人は、イエスさまから救いの宣言を受けて生き始めましたが、
他の9人はそうではありませんでした。
その病気の辛さは、私たちの想像を越えます。体がとけていくという
肉体の辛さと同時に、家族や社会から排除されるという苦しみも伴いました。
そんな大きな苦しみの中で、十人はイエスさまに憐れみを求めました。
イエスさまは、憐れみを求める叫びを、しっかりと聞かれる方でした。
社会から排除されていようとも、主はその叫びに対して耳を閉ざされはしません。
これまでも、罪深い者たちの心の叫びをしっかり聞き取り、みもとに呼び寄せて
こられました。イエスさまは、憐れみを求める叫びに対して敏感です。
イエスさまは、その十人に祭司の所に行くようにおっしゃいました。
病気が治ったことを祭司に認めてもらうためにです。祭司が認めれば、
社会復帰が許される事になっていました。そして、そこに向かう途中で十人とも
病気が癒されたのです。十人とも、社会復帰ができるようになりました。
病気が治り社会復帰をする際に、一人がイエスさまのところに戻ってきました。
そこにこそ神さまの恵みの力が満ちていることを、身をもって知った彼は、
そのイエスさまのもとを、自分の戻るべき人生の拠点としました。出発点であり、
また戻る場です。自分のホームグランドを手に入れました。彼は、自分にとって
なくてはならない場所がイエスさまのもとであることに気付き、そこに戻れたことも
感謝しました。そのような信仰が、彼の生活を変えたのです。
罪と混乱の溢れるこの世にあって、人生の拠点を確保することは必要であり、
それを手にすることは大きな喜びです。
私たちも、信仰に導かれ、イエスさまのもとに拠点を置くことが許されています。
そこで、「立ち上がって、行きなさい。」とのみ言葉を受けて、み言葉と共に
生きる者にしていただいています。